WordPressの引っ越しでいちばん重要なのは作業の順序です。先にデータを移して動作確認を済ませ、最後にネームサーバーを切り替える。この順を守れば、サイトをほぼ止めずに移行できます。逆にすると、切り替えてから作業する間サイトが表示されなくなります。ここでは順序と、各ステップの注意点を解説します。サーバー移転全般の話はサーバー移転の記事にまとめています。

順序を守ってください:①移行元のバックアップ → ②エックスサーバー契約・ドメイン追加 → ③データ移行 → ④移行先で動作確認 → ⑤ネームサーバー切り替え → ⑥反映確認 → ⑦旧サーバー解約。④を飛ばして⑤に進むのが最大の失敗パターンです。壊れた状態で切り替わると、直すまでサイトが表示されません。

移行元の会社別の手順:ConoHa WINGから・さくらのレンタルサーバから・お名前.comからの移行は、それぞれの管理画面でのネームサーバー変更や解約の注意点まで個別にまとめています。

移行の全体像

作業は7ステップです。所要時間は、データ量とDNS反映待ちを含めて1日〜3日程度を見込んでください。

ステップ内容サイトの状態
1移行元のバックアップ旧サーバーで稼働中
2契約・ドメイン追加旧サーバーで稼働中
3データ移行旧サーバーで稼働中
4移行先で動作確認旧サーバーで稼働中
5ネームサーバー切り替え切り替わり始める
6反映待ち・確認新旧が混在
7旧サーバー解約新サーバーで稼働

ステップ4までは、公開中のサイトに何の影響もありません。安全に準備を進められます。

事前の準備

1. 移行元のバックアップを取る

これを飛ばさないでください。失敗したときに戻せる状態を作るのが目的です。

  • ファイル一式:FTPで public_html フォルダを丸ごとダウンロード
  • データベース:phpMyAdminからSQLファイルとしてエクスポート

WordPressのバックアッププラグインを使う方法もあります。FTPの使い方はFTPの記事にまとめています。

2. 移行元の情報を控える

WordPress簡単移行を使う場合に必要です。

  • 移行元の管理画面URL
  • WordPressのユーザー名
  • WordPressのパスワード

3. 現在の設定を記録する

移行後に見比べるための材料です。

  • パーマリンクの設定
  • 使っているプラグインの一覧
  • テーマ名とバージョン
  • PHPのバージョン

移行前に不要なプラグインを削除しておくと、移行がスムーズになりトラブルも減ります。使っていないものはこの機会に整理してください。

移行の手順

  1. 1
    移行元のバックアップを取る
    ファイル一式とデータベースを手元に保存する。ここを飛ばすと失敗時に戻せない
  2. 2
    エックスサーバーを契約する
    10日間の無料お試しを使えば、支払い前に移行を試せる。ただしキャンペーン期限が近い場合は先に支払うほうが得。判断は無料お試しの記事を参照
  3. 3
    サーバーパネルでドメインを追加する
    この時点ではまだ表示は切り替わらない。安全に準備できる
  4. 4
    WordPress簡単移行を実行する
    移行元の管理画面URL・ユーザー名・パスワードを入力する。データベースの作成も自動
  5. 5
    移行先で動作を確認する
    ここが最重要。ネームサーバーを切り替える前に、移行先のサイトが正しく表示されるか確認する
  6. 6
    ネームサーバーを切り替える
    ドメインを管理している会社の画面で変更する。手順はネームサーバーの記事へ
  7. 7
    反映を待って最終確認する
    数時間〜最大72時間。この間はサイトを更新しない
  8. 8
    旧サーバーを解約する
    完全に切り替わったことを確認してから。急がない
サーバーパネルのWordPress簡単移行画面
サーバーパネルの「WordPress簡単移行」。「WordPressを移行」から移行元の情報を入力する(2026年10月9日撮影。ドメイン名などはぼかしています)。

WordPress簡単移行が使えないとき

環境によっては簡単移行が使えないことがあります。公式マニュアルでは、マルチサイト、データベースが2GBを超えるサイト、WordPress.comからの移行はエラーになると案内されており(wp-contentも目安2GB以下)、ほかにも次のような場合に手動移行が必要になることがあります。

  • 移行元のサーバーが特殊な構成になっている
  • WordPressのバージョンが古い
  • セキュリティプラグインが移行をブロックしている
  • サイトの容量が非常に大きい

手動移行の流れ

  1. 移行元からファイル一式をFTPでダウンロード
  2. 移行元からデータベースをエクスポート
  3. エックスサーバーでデータベースを作成
  4. データベースをインポート
  5. ファイル一式をFTPでアップロード
  6. wp-config.php のデータベース接続情報を書き換える
  7. 動作を確認する

手動移行は作業量が多く、wp-config.php の書き換えを誤るとサイトが表示されません。作業前のバックアップは必須です。自信がない場合は、無理せずサポートに相談するか、専門家に依頼することも検討してください。

切り替え中にやってはいけないこと

ネームサーバーを切り替えてから反映が完了するまでの間、新旧どちらのサーバーが表示されるかは人によって分かれます。

やってはいけないこと理由
記事を更新する新旧どちらに書き込まれるか分からない
問い合わせフォームを稼働させる送信データがどちらに届くか分からない
旧サーバーを解約する旧を見ている人にサイトが表示されなくなる
設定を何度も変更する反映の待ち時間がリセットされる

反映が完了するまで、サイトは「見るだけ」にしてください。数時間から最大72時間かかりますが、この期間を待つのが結果的にいちばん早く終わります。

移行後に確認すること

反映が完了したら、次を順に確認してください。

項目確認内容
トップページ表示されるか、レイアウトが崩れていないか
記事ページ個別記事が表示されるか
SSL(https)鍵マークが出るか。SSL設定の記事参照
パーマリンクURLの形式が移行前と同じか
問い合わせフォームテスト送信して届くか
画像表示されているか、リンク切れがないか
プラグイン使っている機能が動いているか
管理画面ログインできるか
メール独自ドメインのメールが送受信できるか

メールの設定は別作業です。ネームサーバーを切り替えるとMXレコードも切り替わるため、独自ドメインのメールを使っている場合は移行先で改めてメールアカウントを作成する必要があります。旧サーバーに残っているメールは、解約前に手元へ保存してください。

SEOへの影響

同じドメインで、URLの構造が変わらなければ、通常は評価を引き継げます。

注意すべきは次の2点です。

  1. パーマリンクの設定が変わっていないか
    移行でパーマリンクの設定が変わると、記事のURLがすべて変わります。移行前の設定と一致しているか必ず確認してください。

  2. 切り替え中に長時間表示されない状態を作らない
    先にデータを移して動作確認を済ませておけば、切り替えの瞬間から表示されます。順序を守ることがそのまま対策になります。

旧サーバーの解約

急がないでください。解約の前に確認することがあります。

  1. 新サーバーですべてのページが正常に表示されることを確認した
  2. メールの送受信ができることを確認した
  3. 旧サーバーに残っているメールを手元に保存した
  4. 旧サーバーのファイル・データベースをバックアップした
  5. 反映が完全に完了してから数日経過した

旧サーバーを残しておけば、問題が起きたときにネームサーバーを戻すだけで復旧できます。この保険を早く手放さないでください。

まとめ

WordPressの引っ越しは、作業の順序がすべてです。①バックアップ → ②契約・ドメイン追加 → ③データ移行 → ④移行先で動作確認 → ⑤ネームサーバー切り替え → ⑥反映待ち → ⑦旧サーバー解約。

④を飛ばして⑤に進むのが最大の失敗パターンです。壊れた状態で切り替わると、直すまでサイトが表示されません。ステップ4までは公開中のサイトに影響がないので、じっくり確認してください。

切り替え中はサイトを更新しないこと、旧サーバーを急いで解約しないことの2点を守ってください。旧サーバーが残っていれば、ネームサーバーを戻すだけで復旧できます。

移行後はSSL・パーマリンク・問い合わせフォーム・メールの4点を必ず確認してください。特にメールは別作業になります。

サーバー移転全般はサーバー移転の記事、ネームサーバーの切り替えはネームサーバーの記事、SSLの設定はSSL設定の記事をご覧ください。